この度、拙著第4刷目に当たる下記内容の新著を出版しましたので、ご案内致します。
本書はこれまでと同様にAmazon社からKindle版(電子書籍)とオンデマンド (ペーパーバック)版(紙本版)の両仕様で出版しますのでご利用ください。

本のタイトル:『宵待草(よいまちぐさ)』
サブタイトル:昭和の戦争・兄弟参戦実録(漫画スケッチ入り)

coverなお漫画スケッチの中には彩色画(カラー画)もありますが、それが再現されるのはKindle版(電子版)です。
オンデマンド (ペーパーバック)版(紙本)は価格を抑える都合上、それらはモノクロ画となっておりますので、ご了承願います。
(オンデマンド版の出版は、Amazon社から今年8月中旬頃を予定しています)

■本の内容:

時代の要請に応じて、まだこれからという兄弟が、それぞれ時期は前後するものの学校卒業後直ちに応召し、軍人としての教練を受けた後、北方の戦場に赴きました。
その中で、持ち前の性格と専門知識や趣味を駆使して過酷な条件に耐えながら書き残した実体験記録を本書で公開し解説します。
その内容は、兄は旧満洲帝国とモンゴル人民共和国の国境地帯のノモンハン戦場で画いた漫画スケッチと親兄弟宛の私信。弟は樺太国境地域国境警備から、終戦後のソ連本土捕虜収容所での抑留生活を経て運良く帰国が適った間の回想録です。

私が編者としてこの本を出版しようと考えた目的ですが、職業軍人でもなく今で言う学校出立ての専門職が、臨戦態勢の軍隊の中でいったいどのような心理と態度で任務に対応したかを、今の世の人達がそれぞれの立場で、その時代の背景を考えながら何かをくみ取ってもらいたいということが第一の理由です。
その上で、次代を担う人達、中でも組織に生きる人達に、この本を通して次の様なことを考えてもらいたいという私なりの願いもあります。

(1)ストレスの多い状況の中で、自らを正常に保つためにはどういう精神のあり方で自己をコントロールすればよいのか。
(2)窮地の中でうろたえず、いざという時に対処できる力量はどういうところからくるのか、それを組織の人材に平素からどのように養うべきか。
(3)少ない力で最大限の効果を挙げ得る力ある集団を育成するためには、どのような人材の組み合わせで、それをどう機能させるべきか。

このことについての私個人の見解については本書の「おわりに」で述べさせてもらいますが、皆さんへのその願いを出版に託する理由について、ここでもう少し説明をしておきます。

私は、これまでの人生で教育やマネージメントの世界に身を置き何とかここまで続けて来られたのは、多くの方々にお世話になったからこそであり、今においても引き続き若い人達が応援してくれていることも含めて、大変ありがたく感謝しているところです。
一方、それらの人達の中から、私が人生で得たことをこれからの人たちに語り残していってもらいたいという要望があることも知らされ、それはどうしてなのかを色々考えさせられてきました。

『現在、時代が進むほど顕著になってきた若年層の都市への流出や核家族化などの傾向が、人としての生存に必要な過去の生活経験の伝達経路をますます狭めてきているからではないのか』、『それに加えて、身にそぐわない現在の情報過多の世情のために、果たしてその中のどれが本物で自分の助けになるのかを、親身になって語り合う相手が乏しくなり困っているのではないのか』、『コマーシャルベースや自己顕示一方の風潮がはびこり、本当に必要な情報やアドバイスを得られるチャンスを見失いがちで、疑心暗鬼の中でもがいているのではないのか』等々。
このようなことから、それを受けて、現役引退後にこのウエブサイトを開き、私の所感を書き込んだり、若い人達の「みちしるべ」としてそれぞれ違う切り口から人の生き方を説いた本を世に出したりしてきましたが、その結果をみると思った以上に読者が続いていることが分かり、また書評や、いただくご意見などからもそれなりに皆さんのよりどころになっていることを知り、何とか少しは社会にお返しできていることをうれしく思っている次第です。

このようなことから、今般、自分の肉親の残した、しかもそれが、この国が国際的に見て今なおその後遺症で苦しんでいる先の大戦の実録であり、たとえそれがある一場面であるかもしれないものの、次代の人達に伝え残しておくことは、必ずや何かの時に参考になるであろうと考えて編集に取り組んだわけです。そして願わくは読者の皆さんがこれらの記録の中から先に述べたような課題について考えてもらい、さらにはそれをもとにして新たな事を学んでいってもらえるのであれば、きっとその人達の成長に繋がるものと思ったからであり、このことが本書の出版理由の一番大事なところですので、ぜひご理解頂きたいと思います。

なお、本書の背景は、前述のように今もって影響が強く残っている先の大戦であり、そのため、たくさんの記録と共に書籍出版が続いています。私自身もそれらの多くの資料を読み、それらが書斎の一角を埋めています。しかし精査してみると内容は玉石ぎょくせき混淆こんこうで、中には社会経験の少ない人達がそれを読むと感化され、見識が狭いままで物事を判断させてしまいかねないものもあります。こんなことで、本書を編集するに当たっても、たとえ肉親の残した資料とはいえ間違った情報提供をしてはいけないと考え、当時に関連する資料にあらためて目を通し、残された記録内容の信憑性を確認しましたが、その参考に供した書籍類を最終ページに記しておきました。本書はそれらをもとに当時の特殊な名称、言語、背景などを全体と部分に分けて解説を書き加えてあります。

戦争、紛争などの要因を歴史的に冷静に辿ってみると、必ずそれ以前に火種があり、突発的に発火するのではないことが分かります。それでは、その火種がまだ小さい内になぜ消してしまうことができなかったのか、これを考え、悟り、大局的、国際的な観点から今後への賢い抑止を図るのが、これからを生きる人達の仕事でなければならないと思っています。本書をお読み頂き、ぜひこのようなことまでを考えて頂きたくお願いいたします。

その上で、皆さんが、本書を通して私が伝えたい次のようなことまで思いが至っていただけるならば、なによりの幸いです。
『組織は人なのです。国も人です。事の勝敗は人で決まるのです。
戦略の失敗は戦術では補えないのです。』
                                  
2016年7月30日
Northern hermit (北の仙人) 高田 紘一